ピアノを演奏している方のほとんどは、楽譜通りに演奏する「譜読み」に泣かされた経験があると思います。
僕の大学時代は、オーケストラのサークルのピアノ伴奏に駆り出されることが多く、月に20ページくらいのピアノ伴奏譜をこなしていました。
(専攻は化学なのに...)
そんな中、発見したピアノ譜読みテクニック・コツを紹介したいと思います。
効率よく譜読みして多くの曲を弾きたい!
僕は普通のサラリーマンをしながらピアノ活動をしています。
となると、仕事が終わったスキマ時間に譜読みをする必要があり、効率のよい譜読みが要求されます。
1日に割ける時間は、せいぜい1時間程度ですので、次の日には記憶が途切れます。
前の日に覚えた内容の復習から入ることが多いです。
"1+1=2になるだろう"理論が通用しないんですよね。世の中は厳しいですね。
ピアノ譜読みの要点
このページに書いてあることの要点は以下です。下で詳しく説明しますね。
- コツ1:ピアノの譜読みの目的は”指番号を決めること”であることを意識
- コツ2:両手でいきなり譜読みしよう
- コツ3:譜読みした内容を楽譜に書き込もう
- 弾いてみた感想
- 五線から外れた音の階名
- コードネーム
- 指番号
- 同じ音
- 黒鍵or白鍵
コツ1:ピアノ譜読みの目的は"指番号を決めること"
せっかく譜読みしたけど「次は同じように弾けない」という再現性の悪さは、
指番号が決まっていないからだと思います。
指番号を決めるとは、「あらかじめ音を弾く指を決めておく」ことです。
その場のノリで弾く指を決めてしまうと、次に弾くときにもノリで決めてしまい、体に覚えさせることができません。
例えばボーリングの正しいフォームと似ていると思います。
ボーリングの上達のコツは、毎回同じ位置から立って、同じようにボールを投げることです。
なぜこれが通用するかというと、ボーリングのピンが毎回同じ位置に出現するためです。
楽譜にも毎回同じ位置に音符があります(当たり前ですが)
毎回同じ指で弾くことで、ボーリングのようにスコア(正解率)アップを狙えると思いませんか?
コツ2:両手でいきなり譜読みしよう
「片手で気持ちよく弾けるから、両手でも気持ちよく弾けるだろう」 には罠があります。
それは、両手の動きを覚えるという過程を飛ばしていることです。
- 左手の動き
- 右手の動き
- 両手の動き
譜読みにおいて重要なのは、”両手の動き"です。両手でピアノを弾くためです。
- 左手と右手の距離感
- 両手を合わせてみてわかる、和音の響き
- 左手と右手のリズムの食い違い
といったものは、両手の動きを覚える過程でしか確認できません。
逆に言うと、いくら片手で譜読みできたからといって、上記のことは永遠に覚えられません。
また練習効率の面から言っても、両手でいきなり譜読みしたほうが良いです。
今までは、①左手で譜読み、②右手で譜読み、③両手で練習、の3回練習する必要がありました。
これからは、①両手で譜読み、の1回のみで済むようになります。
回数が減るので、効率も上がるというわけです。
経験上、片手で譜読みしたことなんて、両手で合わせた瞬間に忘れることが多いです。
だったら片手で譜読みすることに注力することは、あまり意味がないと思います。
「この音は、右手の親指で弾こうかな、いや人差し指かな」といった指番号の検討は、
-
- 両手で譜読み:最初の選択。まずはここから
-
- 片手で譜読み:指番号を確認するなど、部分練習として実施
まずは両手で譜読みする勇気を持ってみませんか?
コツ3:譜読みした内容を楽譜に書き込もう
楽譜に書き込むということは、一度譜読みした内容を記録に残すということです。
書き込みがしてあれば、前日に譜読みした内容を思い出すのが早くなります!
僕は紙の楽譜であっても、躊躇なく書き込みます。(一部の高級楽譜は、さすがにコピーを取ってから書き込みますが...)
書き込みポイント: コードネーム、指の届き具合
赤字が実際の書き込み内容です。オレンジの数字は参照するために入れています。
①、③の部分にコードネームを書いています。
コードネームから音を連想することができれば、音符を二回目に読む時間が短縮できます。
②の部分(内にまるしたもの)は、指の届き具合です。
ちょうどアルペジオで書いてある和音が、ぎりぎり手の中に納まる(手の内、の"内")と思ったため、書いています。
これは、音符を2回目に読むときに、不安感をなくす効果があります。
「あれ?こんな音だったっけ?」
といった不安があると思うのですが、指の届き具合を書いてあれば、
「あ、これは手の内に納まる音だから、たぶん合ってる」
という、多少の自信につなげることができます。
同様に、③の部分(外にまるしたもの)も、指の届き具合です。
外、というのは、手の外まで指を届かせなければいけない、つまり、頑張って手を広げる必要があることを示しています。
書き込みポイント:指番号、感想、白(黒)鍵
赤字が実際の書き込み内容です。オレンジの数字は参照するために入れています。
前項でも説明したように、譜読みの目的は、指番号を決めることです。
決めた指番号を書いてあります。次に弾くときは、この指番号通りに弾きます。
先ほどの、"内"、"外"と同じように、弾いてみた感じを書きます。
楽譜では「きつい」と書いてあります。「音符が密集していて弾きにくい」、そんな素直な心の声を書いています。
これが時短につながります。
逆に、白鍵のみで弾ける場合は、"白"と書くことがあります。
最初に譜読みしたときに「簡単に弾ける!」と思ったから、そのように書いただけです。
簡単かどうかは、人それぞれですので、皆さんの心の声を書いてみてください!
書き込みポイント:五線から外れた音名、同じ音
丸で囲っている区間は、安心して同じ音を弾けますので、次の譜読みをするときの時短につながります。
ちょっとでも不安に思う音は、躊躇せず書き込んじゃいましょう!
指番号を決めることの一環です。
時短譜読みを実践してみよう!
以下がまとめです。
- ピアノの譜読みの目的は”指番号を決めること”であることを意識
- 両手でいきなり譜読みしよう
- 譜読みした内容を楽譜に書き込もう
- 弾いてみた感想
- 五線から外れた音の階名
- コードネーム
- 指番号
- 同じ音
- 黒鍵or白鍵
書き込む内容は、みなさんの心の声を書くとよいと思います。
ここで挙げた例以外にも、ぜひ開発してみてください。
最後に、ショパンのエチュードOp.10-4を譜読みした結果を、有料記事として載せておきます。
「曲を通して上記テクニックを実践するとどうなるか?」という実例がご覧いただけると思います。
今までの説明はポイントを押さえた必要最低限のものでしたが、
もし上記テクニックに興味を持たれましたら、1曲を通した書き込み結果が参考になると思います!