自身初のピアノリサイタル!
先日2022/1/29(Sat.)に、自身初となるオンラインピアノリサイタル「わくわくピアノアレンジの世界」を開催させていただきました。
会場はPiascore studio YOKOHAMA様です。
当日は多くの方にご覧いただくことができました。コメントやお茶爆(なんか催促したみたいですみません...)で盛り上げていただきありがとうございました!
結果としてチケットは合計200枚以上ご購入いただき、またお茶爆も28000円以上いただきました。
スタッフの方も売り上げ状況に驚いておられました。
僕としてもこれほどご興味を持っていただけたことを嬉しいと思うとともに、皆様のご期待に沿えたか不安に思うところもあります。
この記事では当日の流れや、セットリストを決めるにあたっての背景を説明したいと思います。
お礼の足しになれば幸いです。以下が当日のセットリストです。
事前準備(当日の入り)
当日を迎えるまでに、合計4日x3時間かけてグランドピアノを借りて練習してきました。
正直、赤字にはしたくなかったので、出費は押さえたい意図はありました。
スタジオ予約当時はチケットがどれくらい売れているのかがわからず、どの程度スタジオを予約してよいかわかりませんでした。
(ピアノスタジオは一時間当たり2000円くらいかかります。。。)
とはいっても有料のライブのため、ちゃんと弾かなきゃというプレッシャーもありましたし、
普段は電子ピアノしか弾くことができない環境のため、少しでも多くグランドピアノを触ることを心がけました。
当日の直前にも会場の近くにあるスタジオ「ラフィネ横浜スタジオ」様で練習してきました。
ネットで予約することができたのが採用のポイントです。
当日のスタッフの方も気持ちの良い対応をしていただき、本番前の不安解消に役立ちました。
レンタルしたスタジオにはグランドピアノとアップライトピアノが1台ずつありました。
これは「当日弾くピアノがどのようなタッチかわからない」不安から両方レンタルすることにしました。
タッチが浅いグランドピアノ(Yamaha C6X)と、タッチが深いアップライトピアノ(Yamaha YUS3)の両方で練習しておけば、
本番がどのようなタイプのピアノであれ、対応できると思ったためです。
今まで弾いたことはなかったのですが、他の方の演奏を聴く限りではタッチの浅めのピアノだと感じました。
そのため、グランドピアノの方が本番のピアノのタッチに近いと踏み、ほぼグランドピアノで練習してました。
会場まで - 本番
そこから徒歩で会場に向かいました。
船着き場に行きそうになったり、宗教の勧誘の人に後を追われるハプニングもありましたが、「自分は都会に慣れている」と言い聞かせて平然を装っていました。
チャイムがあったので、深呼吸してから押しました。もう緊張しまくりです。
チャイムを押してから30秒くらいで、Piascore studio代表の小池さんが出迎えてくれました。
「どうもgaoです」的なご挨拶をさせていただいた後、石鹸での手洗いと、検温をしてくれました。
手首で測定するタイプです。
(万が一、この検温でNGになったら一体どうなるのかと、1週間前から不安でした(笑)
余談ですが、以前、某旅館の手首タイプの体温計で高熱が検出されたことがあります。
その後、本物の体温計で、わきの下で測ることにより平熱を証明できたのでよかったのですが、割とトラウマです。)
入室すると、配信の簡単な打ち合わせや流れの説明をいただきました。
マニュアル化されており、非常にスムーズでわかりやすかったです。
5分もするとすぐ練習をすることができました。
やっと会えたね!Seilerちゃん!(意中の女の子は、早期に下の名前で呼ぶことが重要だって誰かが言ってた)
いろんな曲をリハーサルの時間いっぱい練習しました。
ところが、ある異変に気付きました。
- 鍵盤を真上から深く押す
- ペダルを5mmくらい踏んだままにしておいて、そこからタイミングをみて踏む
ことを意識して練習すると、だんだん鳴ってくれるようになってきました。
あとで小池さんともお話ししたのですが、やはりスタインウェイやヤマハのピアノのようにタッチが浅めでなく、
Seilerは音が鳴るポイントが深いと感じるピアニストは多いようです。
本番中も「鍵盤の真上に指を持ってきて、タッチ」「鍵盤の真上に指を持ってきて、タッチ」のように、
まるで父親の前で巨大な機械に乗せられている少年の気分でした。
あとは無心で弾いていました。ミスタッチは正直多かったと思います。
事前の練習では、左手が大きく跳躍する部分について、軽く鍵盤に触れるだけで音が鳴ったのですが、
本番中はそうはいきませんでした。スカスカでしたね。。。
トークもいつも通りだと感じていただけると嬉しいのですが、
正直次の曲を弾ききれるかどうかヒヤヒヤしながらしゃべってました。
ただし、もちろんメリットもあります。それは、めちゃくちゃ音がいいことです。
高音の伸びが良いので、ちゃんとミートしさえすれば、弾いていて気持ちのよいピアノでした。
車に例えると強化クラッチみたいなものでしょうかね。
サーキットで早く走るために必要なマニュアル車向けの設備です。クラッチペダルが固くてシビアになります。
僕も友人に一度運転させてもらったことがあるのですが、まず発進すらできませんでした。
良い音質を実現するためには、やはり乗り手(弾き手)の訓練が必要なのだと感じました。
ゼルダの伝説のマスターソードも、ある程度ハートがないと抜けないじゃないですか。そんな感じです。
本番が無事に(なんとか)終わると、清算の話や、チケットの売り上げ状況について教えていただきました。
そのあと、いろいろ世間話?をさせていただきました。
Piascore studioに行くとわかりますが、廊下部分にいろいろなピアニストの過去の公演のサイン入りビラも飾られており、楽しかったです。
僕も僭越ながらサインをさせていただきました。サインを練習しないといけないですね...
そんな感じで、若干心に傷を負いつつも、退室しました。
帰りの車の運転は大丈夫でした。"そよ風"を心がけました(笑)
(夜の保土ヶ谷バイパスは、xx km/hで走っていても、xxxx km/hの車に煽られるので怖かったです...)
セットリストを決めた背景
初めてセットリストを設定した上での演奏会でした。
11月下旬ごろにはもう弾く曲は固めていました。
コンセプトは「誰でも知っている曲を弾こう」です。
知っている曲を聴いた方が楽しいと思ったためです。
1,2曲はご存じない曲はあったかもしれませんが...
あとは複数の曲を同時に演奏する、いわゆる「混ぜ混ぜ」は絶対に弾こうと思っていました。
僕が大学生のころから、1x年温めてきた曲です。
ニコニコ動画時代からもよく投稿はしていたのですが、正直あまり注目されることはありませんでした。
そりゃ流行りの曲の方が注目されますよね。
でも、
いままで主にネピサマ、ネピフユを通じて僕のことを認知していただいている人も増えましたし、
「これはチャンス!」と思って弾きました。
(べつにネピサマを餌にしたわけじゃないですよ!)
曲を同時に弾くって、おそらく八人衆の誰かくらいしかやっているのを見かけないと感じており、
結構珍しいかなという謎の自信はありました。
「ホタルノヒカリ」メインテーマ
この曲は結構他のテレビ番組でも使用されているような気がします。
特徴的でキャッチーなメロディーのため耳に残りやすいです。
最初の駆け上がっていく部分や、刻むようなリズムがオープニングに相応しいと思い、最初に弾くことにしました。
キミがいる - いきものがかり
たまにストリートピアノに行く機会があれば必ず弾いている曲です。
シンプルだけど、リズムにこだわっているピアノアレンジです。ちょっとSeilerちゃんで表現できたか不安なのですが,,,
本番中にもお話ししましたが、この曲には、後に弾く曲に使用されるテクニックが詰まっています。
主に左手の跳躍や、右手の高音部に向かってのアルペジオです。
文章で説明するのが難しいので、いつか放送で説明できればと思います。
君の知らない物語
もともとコンサートで弾こうと思ってアレンジした曲です。最後の終わり方が好きです。
あとは、両手を交差する部分が多くあります。
普段の演奏動画では真上からの視点のため伝わりにくいのですが、
Piascore studioからの実写だと、短い腕を必死に交差して動かしている様子が伝わったと思います。
大きな身振りはコンサートで弾くことを想定し、意図的に居れています。
当時はあまり好きじゃない曲だったのですが、演奏しているうちに好きになってきた曲です。
ストリートピアノでよく弾くようになりました。
糸
(Youtubeにそのうち上げます)
雰囲気を変えようと思って、今回のライブのためにアレンジした曲です。
シンプルに聞こえますが、リズムがシビアなので、神経を使う曲です。
しかもSeilerちゃんなので、鍵盤の深さの分だけ発音が遅れていたかもしれません...
2回も転調し、最後は不思議な感じで終わるような仕掛けを入れています。
もうちょっと練習して、またいつか弾きたいです。楽譜も制作予定です。
銀河鉄道999メドレー
Youtubeに投稿している演奏動画のうち、いまでも比較的再生いただいている曲です。
「再生されているけど、そういえばあまり放送で弾いていないなー」と思い、今回取り入れることにしました。
この曲もコンサート向けだと思います。右手が派手です。
投稿当時は難なく演奏できたのですが、今は体に鞭を打って弾くようになりました。
歳はとりたくないものですね。。。
特にAメロ出だしの部分の、右手で駆け上がる部分は、「過去の自分との闘い」と感じます。
ツーファイブというコード進行が好きだったので、それを強調するために意図的に激しくしていますが、
加齢までは考慮していなかったようです。
My favorite thingsの主題による変奏曲
この曲が今でも日々多くの再生をいただいている曲です。
もう出だしからコンサート向けだと思います。派手ですよねー。
曲が長いのであまり放送では弾かないのですが、
10年以上も温めている曲であり、何回もコンサートホールで弾いたことがある曲なので、
結構思い入れのあるアレンジです。
「混ぜ混ぜ」の導入として、次に弾く「我は海の子」の前に弾くことにしました。
この曲順で良かったのか悩みどころです...
"我は海の子"の主題による変奏曲
(Youtube にそのうち上げます)
実はかなり前のライブに出演する機会があったときに、「我は海の子」をテーマにしたソロ曲を弾いていた記憶があります。
その時の演奏を再現できればいいのですが、当時ちょっと、なんというか異性のいろんな問題もあり、
その当時の演奏の録音を持っている人に連絡が取れなくなりました。(連絡しにくい)
ですので軸は変えずに、今回のために編曲しなおしました。
当時、アルカンの鉄道と、アメリカンパトロールと混ぜたことは覚えているのですが、
それ以外は完全に忘れ去っています。。。
本番中、花のワルツの部分において一つ重要なメロディーを弾けてなかったですね。
演奏が止まらなかっただけよしと思うしかないですが...
楽譜もそのうち作りたいと思います。
混ざっているかの確認はもしかすると耳ではなく、楽譜を見たほうがわかりやすいかもしれません。
サマーウォーズ
もうなんというかコメント不要と思いますが、弾いていて一番楽しい曲を、一番最後に持ってきました。
ラストの盛り上がりの部分は、ちょっとだけSeilerちゃんと仲良くなれた感じがしました。
全体を通じた課題点
楽しかった!と多くのコメントをいただきました。ありがとうございました!
普段はストリートピアノの動画は上げていないため、今回のような全身が映るタイプの配信は珍しさもあるかもしれませんね。
そんな中で、僕が「めっちゃ弾けてなかった... (´・ω・`)」なんて言ってしまうと、
せっかく演奏を良いと思ってくださった皆様の気持ちを否定することになってしまいますよね。
ですので、次につなげるという意味で、前向きな課題点だけ忘れないように書いておきます。
まずSeilerちゃんのタッチに合わせた選曲が必要と思いました。
高速アルペジオをや跳躍を多用する曲は音が抜けてしまうため、次はもっと"しっとりとした曲"を弾きたいです。
正直、本番に向けて練習はしたつもりですがまだ足りていなかったように思います。
もっとタッチが深いアップライトピアノでの練習を取り入れたいと思います。
予算配分が分からなかった部分があるので、スタジオの予約回数を控えていたのですが、次回は皆様のお陰でもっと回数を増やせそうです。
普段は投げ銭形式の配信が多いため、今回のように「事前にチケットを購入していただく」というライブは初めてでした。
事前にお金を払っていただいているということは、「信用を売っている」のと同じだなと思いました。
その信用に見合う演奏ができたか不安もありますし、もし期待外れだと思われたとしたら本当に申し訳ないです。
ただ、なんというかその場限りの演奏のためにお金を出していただいたというよりは、
将来に向けて"投資"いただいたと、前向きにとらえています。
ですのできっと、新たなアレンジ楽曲を作ることを期待していただいていると信じておりますし、
その新曲を何かの機会で発表し続けることで恩返ししたいと思います。
あとは、家族の折り合いが課題ですね。。。
本番もそうですが、ピアノのスタジオ練習の間、妻(🍓氏)が子供を一人で面倒見てくれています。
正直あまり負担はかけたくないので、普段から家族ポイント(KP)を貯めることで、本番に備えたいと思います。
余談ですが、本番は妻と子供も自宅から応援してくれていました。
妻は、僕の演奏中に号泣したそうで、子供(7か月)から不思議そうな顔で見られたと話してくれました。
(あのバカげたトークの時に泣かれたら困りますけど、ちゃんと演奏中に泣いてくれましたよ(笑))
理由としては、「ピアノで頑張っているから、すごい」とのことでした。
いい傾向ですね(笑)バレンタインお待ちしております。
ピアノ演奏は副業なので手を抜こうと思えばいくらでも抜けますが、気持ちだけはプロとして、
今後も育児、家事、本業と折り合いをつけながら続けていきたいと思います!
独身で専業のピアニストが羨ましいと思うことはありますけど、子供がいる生活も楽しいですよ!
とりとめもなくなってしまったので、この辺にしたいと思います。
最後に、多くのご視聴、お茶爆、コメントありがとうございました!