テンションの動かし方
さて,前回に続いてテンションの話です.テンションはいろいろあって,使えるコードも違うということは説明したのですが,テンションの使い方がまだでした.
詳しくはピアノのコードの弾き方でやりますが,一般的な傾向だけ.
まず,テンションのうちで♭9th,#11thなど数字の前に♭や#がついているテンションを特に オルタードテンションと呼びます.上図はオルタードテンションの動き方を説明しています.一般的に,♭がついたテンション(♭9th,♭13th)は半音下がって安定を求める傾向にあります.そして,#がついたテンション(#11th,#9th)は半音上がる傾向にあります.一応頭の隅に置いておいてください.
テンションの禁止事項
これは,耳で感じ取る部分だとは思うのですが, テンションは同じ数字のものは同時に一個しか使えません.つまり,C7において♭9thと#9thは同時に鳴らすことはできません.どちらか片方だけです.ただ,別の数字のテンションは♯,♭の混在は可能です.これも覚えておいてください.
メロディーをテンションに持ってくるリハモ
テンションはピアノコードに彩りを加えるのに使われますが,ピアノ曲をリハモをするときの方針としても使えるのです.その一つの方針は,テンションをメロディーに持ってくるようにすると,なかなかナウいサウンドがします.
"どんぐりころころ"の後半部の楽譜なのですが,赤く○を付けた個所は,E7の#11thの音であるラ#がちょうどメロディーに来ています.そして,このE7は見てわかるように次のE♭M7へのセカンダリードミナントになっていますね(わからない方は以下で確認).
メロディーをテンションに持ってくるって意識するよりも,次のコードへのセカンダリードミナントを弾くと結構メロディーはテンションに来ます.というのも,ドミナント7thコードは使えるテンションが豊富ですから,どれかがテンションに引っ掛かるだろう的な考え方なのです.