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ピアノコードアレンジの60%位を占める重要な方法

ダイアトニックコードを用いたピアノコードアレンジを説明したところで、次はセカンダリードミナントです。ただ、ダイアトニックコードほど難しくはありません。セカンダリードミナントは、 次に来るコードがほぼ決まっているからです。 完全4度上か、 半音下の任意のコードにしか進行しません

セカンダリードミナントとは。

セカンダリードミナントというのは、ドミナントという名前がついているように、ダイアトニックコードの機能で出てきた”ドミナント”コードの一般系です。


[演奏例]

この例では、二拍目のG7というコードがkey C(調号が一つもついてない)のドミナントにあたります。(理由はこちらのダイアトニックコードを参照)。

そして、この例ではG7つまりソをルートとするコードから、CM7つまりドをルートとするコードに解決しています。ソからド、この音程は完全4度ですね?(音程が分からなかったらこちらで復習)。ですので、G7に限らず任意のドミナント7thコードは完全4度上の任意のコードに解決できます

コードに"7"がついていればいいのか!

いいえ、Cm7などのマイナーセブンスコードにも7という数字がついていますが、これはドミナント7thではありません。普通、ドミナント7thコード、もしくはドミナントコードといったら、C7のように”7"という数字がmとかMをはさまずに、直接くっついている”コードを指します。このダイアトニックでの、ドミナントコードを、あらゆる場合に応用しようというのがセカンダリードミナントです。C7などのドミナントコードなら、ダイアトニックだろうと、調から外れていようと、どんどん利用していこうという考えです。

1完全4度上になるようなコードを逆算して入れられる。

完全4度上に進行できることは、上で説明しました。具体的には こんな感じです。


C7の次には完全4度上のFというコードに進行できます。このときFのコードは「Fという名前がつけばなんでもいい」です。つまり、FdimでもFM7でもF7でもいいのです。

では、逆にFM7というコードがあり、その直前に何かコードを新たに入れたいとします。そしたら、さっきのことを応用して、 Fという音が完全4度上に来る音の、ドミナント7thコードを入れればよいのです。つまりこういうことです。


すでにFM7があって、C7は無かったとしましょう。このとき、 Fという音が完全4度上にくるような音を探します。つまり、すでにあるコードから逆算をしていくんですね。
もう、答えは上の図に書いてありますが、ドの音です。ドの音から見れば、ファの音は完全4度上ですね?( ピアノの鍵盤で確認。度数がわからなかったらこちら)。そして、この見つけたドの音(つまりC)に、7という文字をつけたC7というドミナント7thコードを入れます。この逆算の元となるコード、この場合FM7は、 ターゲットコードといいます。このターゲットコードに向けて、解決できるようなコードを逆算して考えるというのが、 ピアノコードアレンジの基本です。

[演奏例]

例えば、上のきらきら星の楽譜例の「何か入れたい」という部分には何のコードを入れますか?もちろんkey A♭のダイアトニックコードを入れてもいいですが、ここはあえてノンダイアトニックなコードを入れます。さっきまでの話を思い出しますと、ターゲットコードがD♭M7であるとすると、このD♭の音が4番目に来る音を探します。
これはラ♭(つまりA♭)ですので、「何か入れたい」の部分に、A♭7を入れます


[演奏例]

A♭M7も、A7も、弾くときには指を一本変えるだけなので、そんなに違いはないかと思います。大事なのは、逆算です。繰り返しになりますが、

コードをここに入れたい!

って思ったら、その直後のコードを良く見てください。上の例だとD♭ですね?なので、D♭に解決するような(D♭がターゲットである)完全4度下(レ♭ドシ♭ ラ♭)のドミナント7thコード(今見つけた音に”7”をつけるだけ!)を入れればいいのです。

これは、コードは任意の場所に入れることが出来るという、こちらで紹介した原理に基づいてます。

どこでもいいんです
ここにいれたい!と思ったら、その直後のコードから逆算してみてくださいね。

2あるコードの半音上のドミナント7thを使う

今度は半音上からのアプローチの仕方です。

さっきは、完全4度下でしたが、実は半音上のドミナント7thも入れることができます。さっきまでと、逆算するという考え方は一緒で、完全4度下の部分を 半音上と読み替えるだけでOKです。

例えば、Aなんとか(AM7とかAdimとかA7とか)のコードの前に何かコードを入れたかったら、その音(Aつまりラの音)の半音上(ラ♯もしくはシ♭)のドミナント7th、つまりA#7かB♭7を入れます。(この二つは、もちろん構成音は一緒。A#=B♭)


[演奏例]

上の例は応用したものです。まず、一小節目のすでにあったコード、A♭6を削除して、新たなコードにしたいと考えました。二小節目のコードを見るとA♭7ですので、この完全4度下もしくは、半音上のドミナント7thコードを入れればいいことになります。上の例では完全4度下のE♭7を入れました。(本当はE♭7sus4)。

次に、二小節目の三拍目に何かコードを入れたいと思いました。次のコードである三小節目のD♭M7に注目します。このD♭の音の半音上か、完全4度下のコードを入れればいいことになります。ココでは、半音上である(D♭の半音上はD)D7を入れました。

以上のセカンダリードミナントを駆使すれば、もう一から自分でコードをつけることも可能です。すでにあるコードに、ちょっと付け加えたいときに、半音上か、完全4度下のドミナントを入れるだけなので、結局は「 アルファベットの読み書き」なんです、もちろん、音を聞いて確かめなければいけませんが。これは、本当によく使われる手法なので是非マスターしてください。

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