コードの構成音から抜き出す
さて,前回に引き続き分数コードの話です.実際のピアノコードアレンジではどう生かされているかというと,” ベースの音を滑らかに進行させる”のに使います.
滑らかというのは,大ざっぱに言うと 左手の小指の動きが少ないということです.非機能的なものは今は考えないことにして,機能的な分数コードを使いたいと思います.
まずは転回形をマスターしましょう.これは,分母の音が,分子のコードに含まれている場合でした.(わからないかたはこちら).ですので,逆に考えて コードの構成音からベースになる音を抜き出してうまく配置すればいいのです.
上の例でも十分だとは思いますが,どんな手法が使われているかわかりますか?
セカンダリーって書いてある所はセカンダリードミナントです(こちらでやりました).そして[before]の方をさらに ピアノアレンジしたいと考えます.[after]がアレンジしたものです.
まず,滑らかにするために一小節目の1,2拍目の音を1オクターブ近く上げています.これはこの後,どんどん下がって3小節目のA♭にたどりつくためです.そして,二小節目のCm7のベースであるドと,一小節目の1拍目のミ♭を 上手くつなぎたいと思いました.G7というコードはソシレファですので,レをベースにしたらミ♭→レ→ドとなってよさそうです.
次に,二小節目のCm7のドの音と,三小節目のラ♭を 上手く繋げることを考えます.間にあるE♭7の構成音はミ♭ソシ♭レ♭ですので,シ♭がベースならド→シ♭→ラ♭となってよさそうです・・・というように考えます. 最初は難しいかもしれませんが,とにかく滑らかになるとプロっぽくなります(笑)
間にあるコードをリハモし直してでも,転回形でうまくつないでみてください.