ピアノコードは4和音のものを使う
ピアノ曲のアレンジをするときに、まずお教えしたいのは「 コードは4和音のものを使う」と、「 ほとんどのコードにテンションを入れる」の二点です。
前項でも説明があったように、Cはドミソとは弾きません。そして、前提条件として”そもそもCという三和音のコードを考えている”のは好ましくないのです。ここで言う三和音というのは、C→ドミソ、Em→ミソシという感じのものです。
よく市販のコードブックや、アニソンのコード譜で見られますが、ピアノで実際に弾くとなると効果的ではありません。理由は、三和音のコードだとコードを上手く響かせるのには訓練が必要だからです。
前項でも紹介したショパンの”子犬のワルツ”は、三和音のコードがメインですが(D♭など)これは、コードの転回系やドロップコードを駆使しているからであって、前提知識ナシに三和音コードで ピアノ曲を作るとなかなか上手くいかないことが多いです。ですが、こういった先人達のコードの弾き方などを参考にして、自分のピアノアレンジに生かそうというのは大いに勉強になります。
ほとんどのコードにテンションを入れる
と聞かれたとしたら、「 ほとんどのコードにテンションを入れる」とまず答えたいと思います。この”ほとんど”というのがなんとも曖昧ですが、8割くらいだと思っていただけるといいと思います。ピアノ コードは三和音で考えないとしたら、どうするかというと、 4和音で考えます。そしてこの4和音とは、”(root) + 3rd + (5th) + 7th + (テンション)”の中から選びます。もちろん4和音以上になっても構いません。そして、こちらで説明したように7thと3rdは必ず弾きます。rootも普通は弾きます。
実例を挙げると、例えば前項の譜例は次のように弾くといいです。
4和音でコードを考えるとは「GM7など、 Gという文字のほかにM7などの追加の文字が付いている」コードを考えることを指します。簡単に言うと「7」がついているコードです。上の譜例ではGM7とメジャー7thのテンションが(上の図で青丸を付けたところ)付加されています(M7は便宜上テンションとして扱います)。
そして、D7も9thのテンションを使用しています。普通にこの講座の"ピアノコードの変え方"に沿って勉強していただければ、自然と4和音のコードが扱えると思いますが、ネットで公開されている ピアノ曲の楽譜などを見るときは、自分で4和音のコードにして(なんとかセブンスにする)弾くと、それなりな響きがします。
もちろん、4和音で考えはしますが「Cはドミソと弾かない」というのと一緒で、4和音でも「CM7はドミソシ」とは同時に弾かないことに注意してください。じゃどうやって弾くんだということは、次の章で説明しています。