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ちょっと難しくすると・・・

さて,コードを振る基本的な手順は前回説明した通りです。それでは、さっそく以下の譜面にコードを振ってみてください。キーはE majorです。


調号は端で切れてしまっているので、臨時記号で振り直しています。どうですか、わかりますか?

まずコードを振る位置を考える

ちょっと、大事なことを言うのを忘れていたんですけど、それはコードをどこに振るかということです。

大体の場合はコードが変わりそうなところに振ります。どういうところが変わりそうかというと” 小節の頭”、” 伴奏(主に左手)のパターンの一区切りしたところ"が考えられます。上の例では2小節ありますから、少なくとも2つのコードを振る必要があります

そして、小節の中でも伴奏が区切れているところがあります。下の図に示すようなブロックです。


左手の音形に注目すると、6つの音符で一区切りになっていそうです。こういうところは要注意で、コードが変わりやすい箇所です。一概にここだ!とは言えないのがつらいところです。そもそもアルペジオって” 分散和音”のことですからアルペジオ形であれば、「 1かたまりで1和音」と考えるのは自然なはずです。ここでは便宜上4つのブロックを左からA,B,C,Dと呼ぶことにします。そして、それぞれの箇所にコードを振ることを考えます。

一番簡単なのはAブロック

難易度で分けると、A、C,D,Bの順で難しくなります。ですので簡単なAから。

全部の組み合わせを書き出すと日が暮れてしまいますので、簡単な手順を踏みたいと思います。まず左手の最低音を見ます。ドですね?ですので、このドがルートのコードじゃないかと見当をつけちゃいます(Cなんちゃらというコード)。次にこのドの音と、 長三度もしくは短三度をなす音を探します。すると右手にミの音が見つかりますね?ここまででCmajor系のコードの可能性が出てきます

最後に、ドの音と他の音の組み合わせを全て見ます。そして矛盾がなければOKです。残る組み合わせは「ド - シ」と「ド - ソ」でしょうか。「ド-シ」はちょうどC majorコードの長7度の音程を成しますので、コードは CM7 であることがわかります。そして、「ド - ソ」はドからみて完全5度のソの音ですので、これはただの5thの音で問題ありません。

Cブロック

さて、先ほどの要領でCブロックのコードも振れます。上と同じ手順で探っていきます。部分的に白い文字で書いて見えなくしますので、心の中で考えながら読んでください( マウスで選択すると、文字が出現して答えが見えます)。

左手の最低音は「」の音ですので、「なんとか」というコードが考えられます。
この見つけた「」の音と、長三度、短三度をなす音を探すと「♯レ」が見つかります。
ですので、ここまでで「B major系」のコードだと分かります。
次に「」の音と他に出てくる音の組み合わせを全て確認します。
シ - ラ」という組み合わせだと、ラの音は「短七度」に当たります。
ですので「B7」というコードの可能性が濃厚です。
次に「シ - ♯ファ」という組み合わせを見ますが、♯ファの音は「完全五度」の音ですので問題ありません。
「シ - ソ」という組み合わせだと、ソの音は「♭13th」のテンションになるのでこれも問題ありません。
(穴埋めは以上です)。

さて、ちょっとここで問題が生じました。それは右手の ミの音です。これはシの音から見ると11thの音になっています。こちらで説明したように、B7の3rdの音が11thと♭9thの音程を作ってしまってまずいです。テンションの場合は例外としましたが11thはドミナント7thコードでは使えません(使えるのは#11thだったはず)。でも、いいのです。
なぜかというと、この音が出てくるのが 一瞬だからです。

それに、問題がありそうなのはこの箇所だけで、他の組み合わせは全て矛盾がありませんので、 多数決でB7 として構いません。さて、長くなったので残りは次のページで。

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