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Etude Op.25-1 Part 3


上の1小節目も、前回のベース音をなめらかにする手法が用いられています。A♭への解決ですので、半音下のGの音をベースにしたE♭7ですね。そして、二小節目は、sus4→M7のおなじみの解決。二段目のCm7はkey A♭のIIIm7ですのでトニックです。そして、三拍目のFm7もトニックですよね。そして、4拍目のG7が特徴的で、次の小節のCM7に無理やり進行しています、CM7は、ダイアトニックなコードじゃないです、IIIM7です。このあたりは、現実に引き戻されたというか、ハッとさせられる部分ですよねぇ。

そして、4小節目の二拍目のBdim/Cというのは、非機能的な分数コードです。クラシックではよくみる手法で、Bdim/C → Cとかっていう上声のみの解決によく用いられます。4拍目のコードはちょっと自信がないですが、CargだとBdim / C→Cargと、解決している感じにはなります。

先ほどのCarg を受けてCM7から始まっています。ソ♯→ソという内声の解決が見られます。一小節目の4拍目はE7/B→Aという解決です。今までのドミナント7thコードの転回系の解決において、解決先の音の半音下をベースにすることがありましたが、今回は全音上です。二小節目の4拍目はE7/A→Aという解決で上声部の解決です。いや、頭がついていけなくなりそうですが、巧みにベースの音をコントロールしています。

あと、面白いのは二小節目から三小節目の途中まで、ずっとベースの音がラの音なことです。三小節目の三拍目のコードも怪しいのですが、ラでためておいて、4拍目のA♭7→D♭と一気になだれこむような解決の仕方が、印象的です。ショパンは、このようなくどい保持音が特徴的な気もします。他の作曲家も見てみないとわかりませんが・・・

一小節目はコードは一拍おきに振ってしまいましたが、おそらく左手のアルペジオは、二拍で一単位です。つまり一小節目のコードは、実質A♭M7が鳴ってるだけです。二小節目はE♭7ですが、二拍目の右手の音は♭9thのテンションです。ショパンもテンションを使用しているという例ですね。

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