ドミナント7thをみたらとにかく分割
さてピアノのアレンジ講座も大詰めになってきました。今回のツーファイブくらいまでご理解いただけたら、もうピアノコードのアレンジについてはほぼ完璧です。セカンダリードミナントの説明のところで、実はツーファイブのファイブについては説明してあるんです。
このファイブというのはV7を表しています。つまりドミナント7thコードですね?ですので、今回やりたいことっていうのは、ツーというもの(?)をドミナント7thコードの前に入れるということです。このツーというのは、IIm7です。IIm7 - V7 の頭文字を取ってツーファイブというわけです。
どこからこのIIm7を持ってくるかというと、 すでにあるドミナント7thコードの完全4度下のマイナー7thコードを持ってくればいいのです。G7というコードをツーファイブ化したかったら、ソの音が完全四度上になるようにレ、つまりDm7を直前に入れてあげたらいいのです。とにかく実例をみてみましょう。
メジャーコードに解決する場合
以下は大きな古時計の楽譜の例です。
F7の部分をツーファイブ化したいわけです。まずコードは取り払ってよいという原理がありましたので、B♭6というコードを取り払ってここにIIm7を入れます。Fの音の完全4度下の音はCですから、Cm7を入れてあげればいいですよね。ちょっと、ゴージャスな感じになったのはおわかりいただけるでしょうか。
もう一つやってみましょう。上の楽譜の続きの部分です。
先ほどと同様に、F7がありますのでE♭M7を取り払ってここに完全4度下のCm7をいれればいいんですね。このように、メロディーが一区切りになる部分の終わりの部分はツーファイブになる可能性が高いです。
マイナーコードに解決する場合
上の例はG7 - CM7など、ツーファイブのファイブの部分がメジャーコードに解決する場合の説明です。でも、G7 - Cm7という進行がすでにあって、このG7をツーファイブ化したいのであれば、事情がちょっと違ってきます。
実はマイナーコードに解決するようなツーファイブはツーの部分はIIm7-5というコードになるのです(このコードが分からなかったら以下で確認)。
1小節目はあえてコードは書いてありません。さて、この一小節目にコードを書くとしたら、どう書きますか?まずは、こちらで説明したセカンダリードミナ ントを使ってみたいと思います。Dm7に解決するようなドミナントは、半音上か完全4度下でしたから、ここでは 完全4度下のA7をDm7の直前に入れたいと思います。そして、この入れたA7をツーファイブ化してみたいわけです。
ここで、気をつけないといけないのは、ツーファイブの解決先のコードがマイナーコードになってることです(つまりDm7)。このときは、入れるツーの部分はm7-5になるのです。ですので、通常のメジャーコードの解決ならEm7でいいのですが、ここはEm7-5とした方がいいです。
感覚としては、ツーファイブに分割してあるものを、無理やり直前にドミナントを追加して、これも分割する・・・といった感じです。これはツーファイブの継続というもので、セカンダリードミナントを駆使すれば無限につなげることも可能です。(つまり、Em7-5の前にセカンダリー入れて、さらに分割・・・とか)。一見複雑そうですが、手順を追っていけば問題ないはずです。この辺は ピアノアレンジの山というか、バリエーションが増えてきて面白いところです。